3月はセンバツ高校野球、プロ野球開幕、大相撲春場所と
スポーツが盛り上がっていますね。
大相撲は茨城出身の高安が頑張っていますが、
今日は照ノ富士が大好きだったAさんとの思い出について書きたいと思います。
Aさんは昨年7月にお亡くなりになりました。
私(神林)が4年間担当した患者さんでした。
施設の方でしたので、新型コロナウイルスの影響でしばらく中断していて、
その間に調子を崩してしまい、施術を再開することはできませんでした。
中断する前も「嫌だ、やりたくない」「早く部屋に帰りたい」と施術を拒否することが多く、
デイサービスにも行きたがらないような方だったのですが、
ヘルパーさんたちと協力して、なだめながら何とか施術をしていました。
施設では食事や入浴の時間などが決まっている為、スケジュールにも縛りがあり、
この方のように、施術を待ち望んでいるわけではないのであれば、無理に訪問しない場合もあります。
ですが、施設長さんやケアマネさんをはじめ、ヘルパーさん方ともよく相談をし、
心身の状態が少しでも良い状態でいられるようにと、施術を続けていました。
実際に、最初は嫌々でも、最後は毎回笑顔になって、次の約束をしていました。
在宅施術、訪問施術をしていると、このように最期をお見送りすることは少なくありません。
毎年10人とまではいきませんが、それに近い人数を看取っておりますし、、
入院してその後お亡くなりになった方は把握できないケースもあるので、そういう方を含めると10人以上かもしれません。
私は学生時代から、体育やスポーツ医学、整形外科疾患を中心に学んで来ましたが、
この分野に関わることで『命』や『家族』について考える事になりました。
そして、一回一回の施術を「これが最後かもしれない」という意識で臨むようになりました。
もちろん、勉強は楽しいですし、治療も楽しいですし、仕事も楽しいです。
でも楽しい事ばかりではありませんし、こうして乗り越えなければいけない時もやって来ます。
ポジティブに「成長している自分」と捉える人もいれば
ネガティブに「至らない自分」と捉える人もいるでしょう。
今回の場合も、マッサージで命を救えるわけではなかったと思います。
けれど、鍼灸は、マッサージは、東洋医学は、魂を救うことができると思っていますし、
そう教えてくれた先生方や患者さん方に恥じない臨床家でありたいと思っています。
いつも「これが最後かもしれない」と思って施術にあたっていますが、
今回の感染症による中断のようなケースは初めてでしたので、
気持ちの整理をするのにも時間がかかりました。
大変な世の中になり、
いま学生の方や社会人になりたての方は不安も多いと思いますが、
そんな方々の目に留まれば、少しは背中を押せるのかなと...
僕はこの仕事を選んでよかったです。
「天国では痛みなく穏やかに過ごせますように...」
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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